PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS Live Action Trailer

大人気ビデオゲームPlayerunknown’s Battleground(プレイヤーアンノウンズ・バトルグラウンズ、通称PUBG)はディレクターAlessandro Pacciani(アレッサンドロ・パッチアーニ)が手がけた新トレーラーになります。ここでは制作現場の舞台裏と、Platige Image(プラティージ・イメージ)が提供するVFXの技術を詳しく説明していきます。より良い表現にするために、要素を簡素化していくことを心がけました。

PUBGの新トレーラーは個性的な作品になっています。このトレーラーは、ゲーム広告の形式としては定番である完全なCGシネマティクスではありません。さらに監督は、これまで主にトップ自動車メーカー向けのショート・ムービー制作に携わってきたPacciani(パッチアーニ)が務めています。

トレーラーを注意深く見ると、さらに多くの驚きが発見できます。

この広告は、混沌とした戦いに参加している感覚を伝えるうえで非常に効果的ですが、比較的控えめな表現の作品となっています。そして演出の観点でも、アクションシーンを多く描き、見る人の集中力を途切れさせることはありません。映像の中で音楽が全く使われていないのですが、初めて見た時にそれに気付く人はいないと思います。

また、このムービーはゲームにかなり忠実に作られています。一見気付かれないかもしれませんが、細部の描写にそれを見てとることができます。

そもそもPUBGとは何でしょう?

Playerunknown’s Battlegrounds(プレイヤーアンノウンズ・バトルグラウンズ)は驚異的な成功を収めたオンライン戦闘のシューティングゲームです。このゲームでは、戦場が常に縮小するなかで最大100人のプレイヤーが対戦し、最後の1人が勝ち残るまでお互いを追い詰めます。

競合他社や類似ゲームとは異なり、PUBGはリアルなビジュアル・スタイルとゲーム・プレイを目指しています。ゲームの制作会社、PUBG Corporation(PUBGコーポレーション)が求める世界観がリアルな表現だったので、ゲームのリアルな世界観という最高の素材によって、トレーラーが出来上がりました。

これらの要素が合わさり、ディレクターとしてPacciani(パッチアーニ)を選ぶことは、自然な流れでした。

彼は受賞歴のあるアーティストで、そのスタイルは大胆かつインパクトがあります。彼は視聴者をアクションの中心にいるような気分にさせる方法を知っているのです。(今回の場合、彼がゲーマーでもあることはもちろんマイナスにはなりませんでした。)Pacciani(パッチアーニ)が最近制作した映像に、Jaguar(ジャガー)とAbarth(アバルト)の広告がありますが、どちらも激しいカーチェイス、危険なスタント、爆発などの激しいシーンの連続です。その舞台が滅亡後の世界になっても、演出が過剰に感じられたり、人工的に見えたりすることはありません。

Pacciani(パッチアーニ)の作品の特徴は、リアルなものとそうでないものがシームレスに融合していることです。彼はビジュアルエフェクトにおける経験や、VFXの専門会社であるPlatige Imageと長年コラボしてきた経験があるため、いとも簡単にデジタルな錯覚で人々を夢中にさせることができます。そして、実際にセットにある膨大な要素を視聴者に気付かせることはありません。

しかし、VFXの作業はそれほど広範囲にはなりませんでした。

PUBG Corp.(PUBGコーポレーション)は広告を、大胆でリアルなものにしたいと考えていました。そのため、戦争の報道映像や「Saving Private Ryan(邦題:プライベート・ライアン)」、「Band of Brothers(邦題:バンド・オブ・ブラザース)」などのスピルバーグの戦争映画を連想させるスタイルを採用しました。

この点において、プロデューサーとPacciani(パッチアーニ)自身が設けた制限には、より深い目的がありました。カメラは、その場にいるような臨場感を壊すことなく、俳優の背後にぴったりとくっついていきます。それが、まさにゲーム中のプレイヤーがプレイ風景を見る視点です。ディレクターはプレイヤーの集中力を途切れさせないように、クローズアップのカットや空撮ショットをインサートしても映像の流れを止めないように意識しました。

リアルな感覚は確実にキープしながら、最も重要な目的はゲームに忠実であり続けることでした。

ロケーションの選択からキャスティング、セットのデザイン、VFX、そしてサウンドに至るまで、この目標がすべての指標となりました。俳優たちは人種や年齢など、ゲームに出てくるキャラクターの特徴を反映させ、選定されました。キャストのほとんどは銃を持った経験がなかったので、全員が銃の扱い方を学ぶ特訓を、2日間受けました。

実際に武器を扱う経験がないことは大きな問題ではありませんでした。俳優たちが出来ることには限界がありますが、彼らが出来ないことは、ゲームのプレイヤーもできないからです。彼らの戦闘服、武器、さらにお互いとのやりとりまでが、PUBGの表現技術に忠実である必要がありました。ムービー中の戦闘員がいつも兵士のように行動するわけではないのは、そのためです。

それでも、リアルな感覚と危機感は十分に伝わります。

本作の撮影クルーたちは、リアルな戦場の雰囲気をとらえるために実際にベイルートまで赴き、シリア国境からわずか2kmの場所で撮影しました。

撮影初日には、実際のロシア機がダマスカスの近くで撃墜されました。私たちの撮影では本物の銃を使って空砲を撃ち、爆発シーンを撮影していましたが、制作陣たちの頭上ではアメリカ軍のジェット戦闘機が飛行し、遠くに本物の爆撃音が聞こえていました。私たちの撮影にはレバノン軍の護衛がついていました。

ポストプロダクションは、Pacciani(パッチアーニ)の長年のコラボレーターであるPlatige Imageが手がけました。

プロジェクトチームの役目は、リアリティをより高めていくことでした。爆発は後で加えられ、そのうちいくつかは拡大され、きれいに加工されました。セットに存在するいくつかの要素は、フォトグラメトリーの手法で加工しており、3Dモデルをフォトリアリスティックなテクスチャーで高度に表現することができました。しかし、手持ちカメラで撮影された、カットの速いムービーであったため、デジタル画像と実際に撮影した映像を合成することは簡単ではありませんでした。

キャラクターと重要な物体の相互の位置関係をしっかりと把握するために、Platigeはカメラのすべての動きを記録し、大量のセット写真を撮りました。

CGを使って銃撃や爆発を美しく仕上げることは、VFXチームにとって容易でもあり、困難でもあることが分かりました。カメラの機能により得られるスペシャルエフェクトのおかげで、カラーパレットの変化を調整するための作業時間がかなり短縮されました。しかし、俳優と3Dオブジェクトが高度に交わるショットを完成させるためには、忍耐と正確さが求められました。

「目標は、1秒のショットごとに一連のエフェクトを作成することではなく、1回のエフェクトをより長くして、シーン全体を通してさまざまな角度からエフェクトを見せることでした。そうすれば、全体を通して一貫性が出ます。」と、Platige ImageのCGスーパーバイザーであるBartek Kmita(バルテック・クミタ)は説明しています。

それでも、このショート・フィルムの一部は完全に3Dで作成する必要がありました。たとえば、AC-130飛行機やパラシュートで投下されるケア・パッケージなどです。こういったものの一部が目に見えるのはわずか一瞬ですが、フォトリアリスティックでなければいけませんし、同時にビデオゲームに出てくるものに100%忠実でなければいけません。

ディレクションの上での思い切った判断の一つは、音楽を使用しないということでした。

ここでもまた、より少ないことがより多くの効果を生み出すことが証明されています。Pacciani(パッチアーニ)は、音楽で盛り上げることなく、すぐにアクションが始まるようにしたいと考えました。ただC-130が衝突着陸するところを見せ、その後に戦場が展開していく様を描くのです。銃撃と爆発がビートのタイミングとなり、クライマックスの瞬間が近づくにつれて、弾丸の音がリズミカルになります。ディレクターは、音楽が彼の目指す大胆さの妨げになると考えたのです。

PUBGは監督のAlessandro Pacciani(アレッサンドロ・パッチアーニ)がこれまで手がけた高級車のコマーシャルとはまったく別物でしたが、彼は戦争のセットにいてもいつも通りの仕事ができました。ムービーが始まってほんの数秒で、彼がこのジャンルで自信をもって仕事をしたということが分かります。ペースが決まり、アクションが始まると、いつの間にかカンザスにいることを忘れてしまうのです。

Credits

Project name:

  • Playerunknown’s Battlegrounds

Project name:

  • Playerunknown’s Battlegrounds

Executive Producer:

  • Zicz

VFX Supervisor:

  • Bartłomiej Kmita

Production Manager:

  • Mateusz Wiśniewski

 

On set supervisor:

  • Konrad Dąbrowski

Online:

  • Mariusz Seliga

Conforming:

  • Piotr Dutkiewicz

Matte painting:

  • Maciej Biniek
  • Adrian Tarasek

 

Modelling:

  • Paweł Krupa

Texturing:

  • Adrian Tarasek

Shading:

  • Jakub Przybolewski

Rigging:

  • Paweł Szczęsny

Tracking:

  • Piotr Borowski

Rotoscoping:

  • Roman Pron

Animation:

  • Oleh Ridzel

Simulation:

  • Dominik Dziubalski
  • Marek Gajowski

Rendering:

  • Bartłomiej Kmita

Compositing:

  • Bartłomiej Kmita
  • Marek Gajowski
  • Dmytro Kolisnyk
  • Benjamin Mcallister
  • Łukasz Przybytek
  • Szymon Słowikowski
  • Adrian Tarasek
More credits +