BABYBEL JOIN THE GOODNESS

世界中で公開されたベビーベルの広告「Join the Goodness」は、業界のレジェンド、Hervé de Crécy(エルヴェ・ドゥ・クレシー)がディレクターを務め、Platige Imageが実現させました。今回の広告映像は、見る者を夢のような食の都市で繰り広げられる、食欲をそそる冒険へといざないます。ハリウッド映画の予告編のような短編の中で、主人公となるベビーベルのチーズたちは、ファストフードに乗っ取られた世界に健康と美味しさをもたらします。
「Join the Goodness」は、Platigeが2020年に手がけたプロジェクトにおいて最も複雑な作品の1つとなり、コロナウイルスによるロックダウンのためポストプロダクションはほぼ全編にわたってリモートで行われました。

ビジョン

” parable of our world. You can find a lot of open air malls where the reality is beyond the fiction.”
– Herve de Crecy, Director 「本作品は私たちの世界になぞらえているので、常にすべてに本物らしさを求めました。半屋外のショッピングモールがたくさん立っているのを見てフィクションの枠を超えたリアリティを感じることができるでしょう。」”
– ディレクター Herve de Crecy(エルヴェ・ドゥ・クレシー)

東京の巨大なモールをイメージし、擬人化された数えきれないほどの物体で埋め尽くされた食べ物の世界。まるで本物のようで、人が住んでいる感じがあります。これを可能にするため、Mateusz Wiśniewski(マテウス・ヴィシニェフスキ)(プロデューサー)とMaciej Szewczenko (マチェイ・シェフチェンコ)(VFXスーパーバイザー)が率いるPlatige Image(プラティージ・イメージ)のディレクターとチームは、入念な調査をする必要がありました。

デザインした要素はすべて、現実世界の要素をベースにしています。アーティストたちはフランスのヴィンテージ電車、アメリカの車、ベネルクスで生まれたチーズワックスの彫刻技術まで学び、ベビーベルのキャラクターの外見を作り出すのに役立てました。Maciej Szewczenko(マチェイ・シェフチェンコ)の言葉を借りれば、「よいデザインは何よりも有機的なものを思い起こさせるものです。」ということでしょう。

技術

スクリーンの約70%がCG映像で埋め尽くされ、この作品はPlatige Imageにとって今年最も複雑なプロジェクトの1つとなりました。オリジナルのプレートはバンコクの現場で撮影し、この撮影のために数多くの小道具を制作しました。スタジオの現場スーパーバイザーに手を借り、ポストプロダクションに向けてシーンを準備。最終的な映像を完成させるには、実写映像とデジタルキャラクターや小道具を組み合わせ、場合によっては3Dで全てのシーンをレンダリングする必要がありました。

Platigeのアーティストは250以上に及ぶデジタルアセットを制作し、その中にはそれぞれ異なるアクションを実行するBabybel(ベイビーベル)の主人公のモデル9体もありました。息をのむような街並みに生活感を出すため、スタジオは架空の広告を入れ込む独自のシステムを設計。補助ジオメトリにビジュアルを投影する手法をもとにしており、広告をループさせたり、グリッチさせたり、ホログラムに変換したりすることが可能になりました。すべては合成段階の間に急いで行われました。

課題

おそらくチーム全体にとって最大の課題は新型コロナウイルス感染症の発生でした。編集に入って3日経った頃、ディレクターが自主隔離となり、エディターやVFXチームから離れて仕事をしなければならなくなってしまったのです。Platge Imageのメンバーも全員、自宅からリモートで作業するように。幸い、Platigeではずっと作業やアセットを共有できるよう設計されたソフトウェアを使用しており、コミュニケーションツールを使用することで、プロジェクトは比較的楽になりました。

「面白い経験でした。共感と理解がありましたから。毎日のビデオ会議で子供たちが後ろで遊んでいるのを見るのは日常茶飯事になりました。数か月の間、私たちはちょっと変わったひとつの大きな家族になったのです。」
– プロデューサー Mateusz Wiśniewski(マテウス・ヴィシニェフスキ)

成果

「Platigeのこなした作業量は目を見張るものがあります。短納期だったことや厳しい状況を考慮すると驚異的です。そして、ディレクターとして私が本当に素晴らしいなと思うのは、誰一人として私の突飛な要求に「ノー」と言わないところです。」
– ディレクター Hervé de Crécy(エルヴェ・ドゥ・クレシー)

Platige Imageは、世界で最も高い評価を集めるクリエイティブエージェンシーの1つであるHavas Chicago(ハバス・シカゴ)の、要求の厳しい野心的なプロジェクトを納期通りに完成させました。今回は、日常のワークフローが朝令暮改となるという前例のない状況の中で行われました。成功の鍵は何だったのでしょうか?「チームワークの精神」と語るのはMateusz Wiśniewski(マテウス・ヴィシニェフスキ)。「それがあったからこそ、40人のアーティストがお互いに尊敬、信頼しあった雰囲気の中で協力できたのです。」