SK-II STUDIO: VS Series
An animated anthology
See projectWitcher(ウィッチャー)というキャラクターが21世紀に登場したのは、2003年、Platige Image(プラティージ・イメージ)が制作した作品で現代のポップカルチャーの世界に登場したときのことです。この作品こそ、CD Projekt RED(CDプロジェクトRed)が手がけたシリーズ第一作目のゲーム用に私たちが制作したシネマティクスです。その後、私たちはさらに2つのゲームのシネマティクスを制作し、Netflixの新シリーズではスペシャルエフェクトも担当しました。
2003年、CD Projekt RED(CDプロジェクトRed)は第一作目のビデオゲーム制作に取りかかり、私たちのシネマティクスが後押しとなり、世界的な人気を獲得しました。Tomek Bagiński(トメック・バジンスキー)が率いるPlatige Image(プラティージ・イメージ)のアーティストチームが、ゲームのイントロとエンディングを手がけ、権威あるVES賞でビデオゲーム部門映像シークエンス賞にノミネートされました。
Kamil Pohl(カミル・ポール)(ジェネラルアーティスト)
「私は、シーンの合成、照明、レンダリングを担当し、アニメーションの修正も随時行いました。それが2006年のことだったので、アニメーションの世界ではまだ前史と言えるような時期で、手がけた映像は全編を通してアニメーションの道を切り開くものでした。私たちの仕事はPlatigeのアニメーション部門創設の基盤づくりに役立ちました。一緒に仕事をさせていただいた本物の専門家は私にグラフィックでどんなことができるか教えてくれただけでなく、私がまだこれから進まなければならない長い道のりについても気づかせてくれました。私にとって素晴らしい経験であり、私の人生を形成するものとなりました。でも、そのせいで家に帰ってもしばらく眠れませんでしたね。
一番印象的だったのは、終わりなく発生する問題を常に乗り越え、まったく新しいものを作り出そうとするチームの雰囲気です。あの雰囲気を感じた時、自分はポーランド最高のチームで、最高の人々、非常にハイレベルな人々に囲まれて働いているのだと実感しました。その実感がもっともっと頑張る力となり、やる気を引き出してくれ、今日のアーティストとしての私を作り上げてくれました。」
Tomek Bagiński(トメック・バジンスキー)(ディレクター)
「当時はPlatigeがこの新しいシネマティクスの世界について本格的に考え始めた時期でした。私たちは、コマーシャルやミュージックビデオではない、何か全く新しいことを始めたいと考えていました。シネマティクスが発展し広く認知されるようになり、私はこの新しい形の芸術を創れるようになることを夢見ていました。『The Witcher(ウィッチャー)』、そしてCDPとのコラボレーションは、Platigeの新部門立ち上げのきっかけとなり、私はその後の10年間をビデオゲームのアニメーション制作に費やすことになりました」
「The Witcher 2:Assassins of Kings(邦題:ウィッチャー2:王の暗殺者)」は2011年にリリースされ、そのプレミアではPlatigeチームが制作した衝撃的な新しいシネマティクスが上映されました。今回もまた、そのアニメーションは忠実なゲームファンからだけでなく、業界からも好評を得ることができ、ゴールデントレーラーアワーズでは最優秀ビデオゲーム予告編賞、VIEWカンファレンスでは最優秀VFX賞、ロンドン・インターナショナル・アワーズではプロダクションおよびポストプロダクションカテゴリーにおいて金賞を受賞しました。
Maciej Jackiewicz(マチェイ・ヤツキェヴィチ)(アート・ディレクター兼CGスーパーバイザー)
「すべてのキャラクターは、CD Project RED(CDプロジェクトRED)と密接に協力して作っています。キャラクターの中にはゲームのコンセプトやモデルに基づいているものもありましたが、シネマティクスだけに登場するものがほとんどでした。例外の一つは暗殺者でした。彼は非常に重要なキャラクターだったので、ゲームのキャラクターとまったく同じように見せる必要がありました。他のキャラクターについてはもっと自由にできましたが、それぞれに独自の個性を与えたいと考えていました。
「背景については常識的に考えなければならず、ジオメトリやシェーダ、氷の結晶を模した要素を組み合わせたものを入れ込みました。船でのアクションシーンもいくつかありますが、映像には水は登場しません。この点を何とか工夫しなければなりませんでした。そこで船が沈んだり、波がデッキを破壊したりするシーンを除外しました。私たちが使った液体のシミュレーションは、氷の爆弾の内部にある魔法の液体と血液だけでした。」
Tomek Bagiński(トメック・バジンスキー)(ディレクター)
「氷が砕け、船が崩壊するシーンのアイディアは非常に重要だとは思いましたが、理論上可能なこととそれを実現することは別の問題です。チーム全体にとって、それは技術と芸術面での両方のスキルを問われる膨大な作業で、ダイナミクスやシミュレーションを完璧に仕上げるのに何か月もかかりました。画面上ではわずか数分間の効果ですが、すべて必要な作業でした。でも、素晴らしいプロジェクトだったと思います。」
「Assassins of Kings(王の暗殺者)」のプレミア直後、CD Projekt Red(CDプロジェクトRed)は、続編「Wild Hunt(ワイルドハント)」の制作がスタートしようとしていることを発表しました。そしてCD Projekt Red(CDプロジェクトRed)の声かけで、Platigeチーム3度目のコラボレーションが実現しました。予告編とゲームは、それぞれオンラインで何百万回も再生され、何百万本も売り上げるという、大成功を収めました。それは非常にうれしいサプライズでした。
「The Witcher: Wild Hunt(邦題:ウィッチャー:ワイルドハント)」の公式プレミア以降もGeralt of Rivia(リヴィアのゲラルト)の人気は一時たりとも衰えることはなく、Netflixシリーズのおかげで今や世界中で有名になりました。150人以上のアーティストで組んだ当社のチームが、業界でも広く称賛されている技術でこの魔法にあふれた大ヒット作のVFXを制作し、この年最も待望のドラマの実現に貢献しました。このドラマシリーズは、Netflixで1年間で最も視聴された番組トップ10入りし、配信開始から4週間で、「The Witcher(ウィッチャー)」は7,600世帯で再生されています。
Rafał Sadowy(ラファウ・サドウィー)(アート・ディレクター)
「この作品で私たちが担当した作業の最も興味深い部分の1つが、様々な種類の魔法を視覚化することでした。重要なポイントは、過剰すぎないエフェクトを生み出すこと。さりげないエフェクトに収める必要がありました。それは非常に工夫がいる、刺激的な仕事でした。何度もテストや実験を重ね、最終的な形態やキャラクターを作り上げました。こうした試行錯誤により、視覚的な調和を実現できました。」
Mateusz Tokarz(マテウシュ・トカルズ)(VFXスーパーバイザー)
「かなり短期間の作業でした。作業はハイペースで進める必要がありましたが、すべてを納期通りに納品することができました。Netflixからも高く評価していただきました。プロジェクトには何時間も費やしましたが、その結果クライアントと私たち自身の両方が満足できる作品を作ることができてよかったと思います。今後数か月間は必ず、みんなが観てみたいと思う作品になるでしょう。」
80年代に北からやってきたGeralt of Rivia(リヴィアのゲラルト)ですが、ここ数年でほぼどこでも見かけるようになりました。「The Witcher(ウィッチャー)」が現代のポップカルチャーの最前線に返り咲き、世界中で人気になったことに、CD Project Red(CDプロジェクトRed)が開発・プロデュースしたゲームとNetflixシリーズが果たした役割は非常に大きかったと言えるでしょう。当社のアーティストが制作を手がけたGeralt(ゲラルト)の冒険全3部に伴うゲームシネマティクス、そしてNetflixドラマに使われた当社のVFX。これらが史上最も有名なポーランド人※の大いなる成功に貢献できたことを非常に誇らしく思います。