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New Virtual Production project
See projectPlatige Imageが制作した、ゲーム『バイオハザードビレッジ』の新しいシネマティクスが、2021年5月1日にリリースされました。このアニメーションは、『ストリートファイター』や『デビルメイクライ』などのヒット作を制作・発売している伝説のスタジオ、カプコンのために制作されました。プロデューサーのMarina Borokhova、CGスーパーバイザーのWojciech Idzi、ディレクター兼アートディレクターのJakub Jabłońskiが、本作の制作について語っています。
このアニメーションは、『バイオハザード』シリーズの最新作の導入部分とエンディングをシネマティックに表現したものです。クライアントの信頼とオープンな姿勢のおかげで、最初のコンセプトと脚本から始まり、キャラクターデザイン、アートワーク、アニメーションの全てのステージ、そして最後のサウンドまですべて私たちの手で作り上げることができました。
「カプコンスタジオは私たちを信頼し、アーティストのクリエイティブなアイディアに対して常に理解を示してくれました。まるでオリジナルの短編アニメーションを制作している時のように、完全に自由なクリエーションが許されていました。このプロジェクトはとてもユニークなアートスタイルで制作されたので、通常の進め方ではなく型にはまらない方法で仕事をする必要がありました。」とMarina Borokhovaは語ります。「切り絵のようなアニメーションを表現するために、素材の質感、陰影、照明にこだわりました。古典的な影絵に近いエフェクトを得るために、モーションキャプチャーの代わりにキャラクターのキーフレームアニメーションを使用しました。」
ゲーム内のイベントは、『ダークメルヘン』内の出来事にもとづいています。プロジェクトのディレクター兼アートディレクターであるJakub Jabłońskiは、森に迷い込んだ少女の物語を書き、不思議な生き物や素晴らしいロケーションに満ちた世界を、張り子や切り絵で表現しました。登場するキャラクターはすべて、『バイオハザード』のキャラクターのメルヘンな分身として、監督のオリジナルで制作されたものです。このようなスタイルで従来とは全く異なるアプローチで制作ができ、チーム全体のモチベーションも上がりました。
「スーパーバイザーであるOleh Ridzelのもとで、アニメーションチームは素晴らしい仕事をし、キャラクターを生き生きと動かすことに成功しました。ディレクター兼アートディレクターであるJakub Jabłońskiの監督のもと、Agata WacławiakとMichał Pancerzは、ビジュアルアートの開発をし、私たちを村のおとぎ話の世界に連れて行ってくれました」とWojciechIdziは説明します。 「型破りなプロジェクトは多くの場合、最後の構成の後でやっと完成形が見えてくるものです。そのため、Łukasz Przybytekが率いる合成チームとの協力が非常に重要でした。Marcin Przybyłowiczによる音楽、Platige Soundによって制作されたサウンドとナレーションが全体の完成を補います。このプロジェクトは間違いなく、私たちがこれまで制作した案件の中でも興味深いプロジェクトのひとつです。」
私たちは10年以上ゲームのシネマティックスを制作しています。通常、シネマティクスはゲーム内のストーリーの延長表現や、ゲームを具体的に反映する表現で制作されます。しかし『The Village』は、ゲームそのものに重要な芸術的役割があり、ストーリーテリングを持った作品で、シネマティクスもゲームとは独立した表現で完成されました。
「私たちは自身のおとぎ話のイマジネーションのフィルターを通して、ゲームの世界観を表現する必要がありました。セットデザイン、キャラクター、歴史のひとつひとつが、ゲームの中の世界を映し出す歪んだ鏡のよう役割を担います。おとぎ話、絵本、影絵がキーワードとなり、キャラクターや風景を作るためのユニークな張り子や多くのレイヤーが加わり、一見おとぎ話が好きな子供向けのダークな物語が完成しました」とJakub Jabłońskiはコメントしています。「このゲームクリエイターの勇気のおかげで、Platigeは大きな信頼と芸術的な自由を得ることができました。私たちは、依頼された仕事をしていることを忘れるほどでした。プロジェクト全体を通して、まるで自分たちのために短編映画を作っているような気分でした。このような機会を与えていただきありがとうございます!」